灰溶融施設
2012年09月26日
概要
現代のごみ処理において、最終処分場を確保することは最も重要で深刻な課題です。ごみ焼却施設に灰溶融設備を併設することは、灰の減容化のため極めて有効な方法のひとつです。焼却灰をスラグにして処分すると容量が約3分の1になるだけでなく環境面においても非常に安定したものになります。
●減容化・安定化
焼却灰をスラグ化するとガラス質に覆われた粒状の物質となり、容積も約3分の1になります。
●環境に配慮
溶融方法は電気アーク溶融方式を採用しています。この電気エネルギーは工場内で発電したものを使っていますので、化石燃料の消費の削減や二酸化炭素の発生の抑制にも貢献しています。
炉形式 |
アーク式電気溶融炉 80t/日(80t/日×2基、うち1基予備) |
処理能力 | 80t/日(水分15%焼却灰) |
溶融温度 | 1,400℃ |
前処理方式 | 灰調整機による乾燥 |
スラグ処理方式 | 水砕方式 |
所用電力 | 3,800kW |
フロー
1.灰スクリーン・灰移送コンベア | 2.細粒灰クレーン | 3.灰調整機 | 4.灰溶融炉 |
5.スラグクレーン・スラグピット | 6.電極接続装置 | 7.集塵器 |
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設備
1. 灰スクリーン・灰移送コンベア
灰スクリーンで焼却灰を灰溶融に適するように粒状を整えるなど、大きい灰が取り除かれます。この後湿気を帯びている焼却灰は、振動式の灰移送コンベアで運ばれ、一旦細粒灰ピットに溜められます。
2. 細粒灰クレーン
細粒灰ピットに溜められた焼却灰は、細粒灰クレーンで受け入れホッパを経て湿灰コンベアで灰調整機に送られます。
3. 灰調整機
ここで焼却灰の乾燥処理が施され、水分含有率を5%程度に調整します。
4. 灰溶融炉
炉内に投入された焼却灰は、主電極の先端から発生する摂氏4000度を越えるアーク熱の輻射により、短時間で溶けて溶融スラグとなります。溶融スラグは、続いて水で冷却され、固化されます。
平成31年4月に休止しました。
5. スラグクレーン・スラグピット
スラグは、コンベアでスラグピットに送られ貯蔵された後、スラグクレーンを用いて搬出用のトラックに積み込まれ、最終処分場に運ばれます。
6. 電極接続装置
灰溶融炉に使用する電極は消耗していくため、消耗分を継ぎ足す必要があります。このため電極接続装置を使い主電極を自動的に接続します。
7. 集塵器
焼却灰の溶融時に発生するガスは、排ガスチャンバを経て集塵器に送られます。このうち、ダストを除去されたガスは、集合排気ファンにより焼却設備のダクトに、また集めれたダストは焼却設備に送られます。
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第一工場業務課 運転業務担当
048-966-0123